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ちょっと寄り道して、マレーシアのマラッカに来てみた。

マラッカはプラナカン文化の要の街。
その昔マレーの地へ移ってきた華人男性と、現地のマレー人女性の間に生まれた混血子孫たち。
それがプラナカンと呼ばれる人々。

中国とマレー、さらに英国等統治時代のヨーロッパの文化も入り乱れ
ピンクやミントグリーンのショップハウスも屋根が瓦だったり
ステンドグラスの窓の軒に中国提灯がぶらさがっていたりする。
家の不思議な作りが面白くてうろうろ観察していたら、なかなか先に進めない。

途中足が止まった骨董屋、中で店主が黙々と骨董品の絵を描いていた。
古い食器や凝った装飾の家具がどこまでもひしめく。
まるで博物館だな…と思いながらどんどん奥に入って行くと
その向こうは店主の家だった。
中庭の緑のそのまた奥から、まな板をたたく包丁の音がする。
空っぽの鳥籠が吊ってある。でも小鳥の声が聞こえる。

こうやって家を覗き見しながら
知らない暮らしを想像する。のが好き。
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予想通り、シンガポールの植物園は最高でした。

熟れて蟻が群れる果実の色気とか
ヒトが虫みたいに小さく見えるほどでっかい板状根の木
紅い毛がわさわさ生えてる謎の木の実
普段温室に維持されている彼らがいきいきと外に…!
代わりに霧で満たされた冷室なるものが存在し
そこには怪しい容姿の蘭やら岩にへばりつく食虫植物やらっ

ふふ…

それで結局うっとりしすぎて、発熱しました。
超巨大庭園の中をいちいちのぼせながら6時間歩いたんだから当然と言えば当然ですが

毎度体調異常に気づかないほど熱中するとは

…あんぽんたんと呼んでもらって差し支えないです。
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ネパール後シンガポール前
ただいまトランジット中です。

ネパールにいた半月の中で
ずっと頭から離れない風景がある。

難民居住区のチベット人女性たちの、絨毯を織る姿。

トン カン トン カン 機の音、小さく歌う声、お喋り、転がる糸玉の色
図面は楽譜、絨毯は紡がれる歌のよう

目が合ったひとの、笑った顔が
離れない。

ふるさとにいつでも帰れるということは
あたりまえではないのだと。
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カトマンドゥは少々辛い場所だった。
もちろん数多の神様仏様は今もいるのだけど
それ以上に建物や人がひどく増え
細い路地や寺院のそばにも車やバイクが容赦なく突っ込み
飽和状態の道路が巻き上げる排気ガスで息ができない…。

よろよろの私が行き着いた先は
広場の片隅の、名もない祠とそれを包みこむ大きな樹の下
時折地元の人が祈りを捧げては去ってゆく。

この樹はどのくらい、かの地を見つめてきたのだろう。
凄まじい勢いで変わり続ける人の世の隣で。

祠の奥から、樹がこちらをじっと見ている気がした。

私も猿といっしょに、しばらく樹の前から動けなかったのだった。